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20220823-EtherChannel.md

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EtherChannel

概要

  • 実験日: 2022/08/23
  • CCNA第9章相当 EtherChannel

1. EtherChannelの概要

EtherChannelはSTPのスイッチ間リンク冗長化に帯域幅増加を追加した機能と言える。
LAG(Link Aggregation Group)とも呼ばれる。

1.1. スイッチ間リンクの冗長化

スイッチ間の物理リンクを最大8本束ねて1本の論理リンクとして扱い、耐障害性を高めることが出来る。
束ねる事が出来る物理ポートは通信モード・リンク速度・VLAN設定など全ての設定が同一設定のポート群に制限される。

1.2. 負荷の分散

STPは待機状態のリンクを利用することが出来ないが、EtherChannelは最大8本の物理リンクを束ねた論理リンクを提供する。
EtherChannelの論理リンクは1本だが、実際のデータは物理リンクを通過する。
データを分散することにより、理論上物理リンク全ての帯域を使う事が出来る。
複数の物理リンクにデータを分散させるために、MACアドレス・IPアドレス・ポート番号などを元にデータの振り分けを行う。
代表的な負荷分散オプションは以下の通りである。

オプション 負荷分散動作
src-mac 送信元MACアドレスを基に負荷分散
dst-mac 宛先MACアドレスを基に負荷分散
src-dst-mac 送信元及び宛先MACアドレスを基に負荷分散
src-ip 送信元IPアドレスを基に負荷分散
dst-ip 宛先IPアドレスを基に負荷分散
src-dst-ip 送信元及び宛先IPアドレスを基に負荷分散
src-port 送信元ポート番号を基に負荷分散
dst-port 宛先ポート番号を基に負荷分散
src-dst-port 送信元及び宛先ポート番号を基に負荷分散

1.3. EtherChannelの種類とネゴシエーション

EtherChannelを構築するには、手動設定とネゴシエーションを利用した自動設定がある。
自動設定は以下のプロトコルを使用できる

  • PAgP(Port Aggregation Protocol)
  • LACP(Link Aggregation Control Protocol)

PAgPはCisco独自のプロトコル、LACPはIEEE 802.3adとして標準化されたプロトコルである。
どちらもほぼ同じ機能を提供する。混在することは出来ない。

ネゴシエーションモードは2種類ある。
自発的にネゴシエーションするモードとネゴシエーション要求を待機するモードがある。
前者がLACPでactive、PAgPでdesirable。後者がLACPでpassive、PAgPでautoとなる。

2. 実験

2.1. 冗長性の確認

EtherChannelの冗長性を確認するために、以下の図に示す実験環境を用意した。

img.png

実験内容

  • FE1-8をEtherChannelの対象ポートとする
  • 自動LACPを使用し、両スイッチをactiveにする
  • SW1-SW2間の物理リンクの本数は1~8本で任意
  • PC1-PC4間でPINGを飛ばし続け、スイッチ間のリンクの接続を切替・切断する。

SW1(config) #interface range fastEthernet 0/1 - fastEthernet 0/8
SW1(config-if-range) #channel-protocol lacp
SW1(config-if-range) #channel-group 1 mode active
Creating a port-channel interface Port-channel 1

SW2(config) #interface range fastEthernet 0/1 - fastEthernet 0/8
SW2(config-if-range) #channel-protocol lacp
SW2(config-if-range) #channel-group 1 mode active
Creating a port-channel interface Port-channel 1

FE1-3を接続した状態。
FE1-8がバンドルされ、FE1-3がリンクアップしていることが確認できる。

SW1#show etherchannel summary
Flags: D - down P - in port-channel
I - stand-alone s - suspended
H - Hot-standby (LACP only)
R - Layer3 S - Layer2
U - in use f - failed to allocate aggregator
u - unsuitable for bundling
w - waiting to be aggregated
d - default port

Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators: 1

Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+----------------------------------------------

1 Po1(SU) LACP Fa0/1(P) Fa0/2(P) Fa0/3(P) Fa0/4(D) Fa0/5(D) Fa0/6(D) Fa0/7(D) Fa0/8(D)

結果

全ての物理リンクを切断しない限り、切断の後再接続された。
【PC1】

Reply from 192.168.0.11: bytes=32 time<1ms TTL=128
Reply from 192.168.0.11: bytes=32 time<1ms TTL=128
Request timed out.
Request timed out.
Reply from 192.168.0.11: bytes=32 time=7ms TTL=128
Reply from 192.168.0.11: bytes=32 time<1ms TTL=128

2.2. 負荷分散の確認

初期設定で送信元MACアドレスを基にした負荷分散が実行されている。

SW1#show etherchannel load-balance
EtherChannel Load-Balancing Operational State (src-mac):
Non-IP: Source MAC address
IPv4: Source MAC address
IPv6: Source MAC address

片方のスイッチにPCを3台ぶら下げ、iperf3を用いて帯域測定を行う。
以下の図に示す実験環境を用意した。

img.png

実験内容

  • 各PCにiperf3をインストールする
  • PC1-3はPC4に対してiperfを走らせる
  • PC4のNICを流れるデータ量を観測する

結果

100Mの物理リンクが3本以上の場合

  • PC1-3からPC4に向けて送信した場合、負荷分散が適用されて各セッション100Mbps弱(合計300Mbps)の速度が出たことを確認できた
  • 逆向きに通信した場合、3セッション合計で100Mbps弱の速度が出たことを確認できた
    ↑送信元MACアドレスが同一なので負荷分散が働かなかったと考えられる。

100Mの物理リンクが3本以下の場合

  • PC1-3からPC4に向けて送信した場合、リンクの合計帯域に制限された
  • バンドル本数が2本の場合は約50Mbpsが2セッション、約100Mbpsが1セッションになった

以下の図はバンドル本数を2→0本まで減らしたときのPC4の通信量である。

img.png

3. まとめ

  • EtherChannelはスイッチ間のリンクを最大8本束ね冗長化し、負荷分散によって論理的なリンク速度を上げる事が出来る
  • バンドルする物理ポートの設定は統一する必要がある
  • EtherChannelの構築は手動設定以外にPAgPやLACPのネゴシエーションによって自動設定することもできる

出典
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301, 初版, ISBN:978-4-7981-6577-6